花霞記

社会人の日記

ドアの前を塞がないで

 

  普段ならば私の心は、森林に囲まれた湖畔のような穏やかさで小石が投入されても溢れることなどない。しかし、移動中特に乗り換えの時はそうはいかない。バトルロワイヤルのように我をだして突き進みたい。闘争心しかない。

   電車からバスに乗り換えるポイントの駅は整列乗車の理念はあっても、降車客への思いやりはない。先頭のご老体は幾人もの壁となって我先に乗り込もうとドアを囲んでくる。囲まれてしまっては私は降りられないので、エスカレーターへの最短距離方向へ突進していくしかない。

   降りる客がいないとあの背の曲がった人達は考えているの?座りたい気持ちは痛いほどにわかるけれど、この道は譲れない。そもそもエスカレーターと階段に一番近いドアー前なのですから大量の降車客がいると経験でわかるでしょう。

   私降りますけどって気持ちでドアーと目と鼻の先に立って、開く前に彼らを牽制したつもりだったのに、彼らも距離を詰めてきていて一歩だってホームへ足を伸ばせなさそうな状況に。ヒールでガンガンと足踏みしてしまった。穏やかではない。

 

 

   一両四ドアーなら、もう降車用、乗車用と区別していくしかない。女性専用車とかそれではない。この不毛な戦いにはルールが遂に必要だ。