花霞記

社会人の日記

知らないふり演技を磨け

 

   『舞踏会』芥川龍之介の、舞踏会論についての論文を読んだ。

 

     『舞踏会』ヒロインが、海軍将校である男が作家になっていることを知っているか知らないか。についての論。本当に知らないのか、知っていて知らないふりをしているのか。はたまた知っているのか。改稿でこの三つのパターンが考えられるのですけど、どれの線が濃厚なのかを考えさせられた。

    知ってるか知らないか、この二択しか読み取れていなかったから、とても衝撃的だった。知っているのに知らないふりをする利益とは!!

    だけれど、あの人のことを知っていますよね?からの アンニュイな表情で、いいえ知りませんわ だと考えると驚くほど魅力的だと思う。大人な過去って雰囲気がぐっど。

 

    チャーミングだなぁと思ってやまない『ガイズアンドドールズ』のアデレードは、ネイサンの賭け事に気づいているはずだけど決定的なところまでは気づいていない風。いや彼を心から何度も信じようとする姿と捉えても可愛いけれど!あとは『ウィキッド』の白い魔女になる彼女も、エルファバをよく知らない存在として民衆に語らねばならなかった。

   芸能タレントも一定の周期をおいて無知に見える女性が引っ張りだこになる。(仰天顔が必要なのでしょうけど)これを踏まえると上手に知らないふりをすることは大きな武器なのではないかしらん。知っているのだろうと匂わせても良し、知らないと信じさせて良し。

   自然とそうしていた会話だって今までにあるはずだけれど、上手く活用していきたい。

   無知でもしたたかに生きる。